No.3
HG 1/144 Zガンダム
製作者 : FDひろ


6月某日
公開前からそれなりに気になってはいたが、そのうち観ればいいや〜って思っていた
映画「Zガンダム 星を継ぐもの」!
90分という時間で「アムロ再び」までを凝縮した映画に、どこかで冷めていた自分がいた。

それでも、大好きなZガンダム!

掲示板などで、話にもついていけないのもイヤだったのか、折角の有休を利用してなんとなく足を運ぶ。
平日の日中なので、人もたいしていないと思い、上映1時間前にチケットを購入。その後ゲームセンターで時間をつぶす。
15分前に劇場に行き、入場しようとすると、係りの人に止められ、「並んでください」とのこと。
「並ぶ」?
「この映画館は並ぶのか? 変わったシステムだな〜」
最近はほとんど全席指定の映画館で観ることが多かったので、ちょっと意外に思いながらも指示にしたがうことに・・・・。
なんと、大行列がそこには出来ていた。(唖然)
休日ならともかく、平日の昼間で?
半分帰ろうかとも思ったのだが、折角足を運んだので、仕方がない。席も前のほうであまり良い場所とはいえなかったが。

そして、あっという間の90分の上映が終了〜!出来栄えはそれなりで、ほぼ思ったとおり。
とりあえずパンフレットだけ購入し、新宿歌舞伎町を後に帰路につくことに・・・。
そしてそこにはあくまでもクールな自分。客観的に今観たばかりの内容をちょっと思い出しながら、
「あそこの台詞は違っていたな〜」「あのシーンはちょっと良かったかも」そんな思いで歩いていたはずなのだが・・・

ふと気が付くと、一瞬、自分がドコにいるのか理解できなかった!
目の前には、ガンプラが並んでいて、どうみてもガンプラコーナー。

しかも・・・
右手には、「HG ギャプラン」!
左手には、「HG Zガンダム」!


「何やってんのぉ〜!」
「何やってんのぉ〜!」
「何やってんのぉ〜!」ブライトさんの声がコダマする。

周りの店員やお客にはもちろん気づかれてはいないはずだが、自分は激しく動揺していた。
現状の製作状況を鑑みて、どうやっても製作している時間などない。
自重心と理性をフル活動させて、なんとか平常心を保ち、その場は何も購入せず本当の帰路につくことに・・・
あれはいったいなんだったのだろうか?

そして、PGの製作を再開する。楽しかった作業が行き詰って、気分転換に映画を見に行ったのだが、やはりたいして変わらず。
モチベーションは高いままなのだが、何故か勢いみたいなものがない!
そして、悶々とした日々を過ごしながら、製作も順調そのもので、何も問題はないのだが、ある時ふっと気づいてしまった。

昨年の夏から、カラーリングに悩み、レベルに悩み、一生懸命何かを求めてきた。
それなりにレベルアップしてはいるとは思うその一方で、情熱や楽しさを忘れていたのではないだろか?
クールを装った大人の面と、熱き思いを持った本当の自分!
もちろんある程度のレベルは大切なことだし、進歩しなければいけないのは当然。しかも改造しなければならないのを当たり前のように思っていた自分に、欠けていたのはそういう事ではなかったのか?
あの少年の頃の、ガンプラを求めて模型店を回り、箱を開けようとしたときに感じたワクワク感や、組んだときの喜び!
「そうか! そうだったのか!」
あの両手に持ったガンプラはきっと、無意識にそういうものを示唆していたのではないか?
もちろん、映画を観たことによって、実際は熱く気持ちがくすぶっていたのも確か!

今後の全ての作品がそれでは困るが、たまには勢いと情熱だけで、何も考えずに製作してみるのも一興!
そして、霧の晴れたロンドンのような心で、模型店へと歩を進める。

「すいませ〜ん。 これください!」



こんな文章で秘めたる熱き思いは伝わったでしょうかね?
でも、Zガンダムってまだ映画のほうには登場してなかったりして。(汗)